27 July, 2018

夏はどこまでも夏だ

夏空




 夏が好きです、とっても。撮影前に駐車場でひとしきり汗をかく季節。あおげば青空、夏の空。

 夏好きのぼくとしてはいつまでもこの季節が続いて欲しいけれど、そういうわけにはいかないから、だからいいんだろうとは思っている。夏の取材はひと段落。けれど今年はまだまだ撮影が続く。ありがたいことだ。

 撮影はライブだと思う。日々の鍛錬と準備を怠らず、いつでも実力を出せる準備をして、そして瞬発力と持久力で現場に臨む。頭の中はそのことだけに集中して、撮影が終われば、また次の撮影のことを考える。明後日のことを考えながらは撮れない。目の前にあるものをどう撮るのか、経験と技術という引き出しをフル動員して乗り切る。この夏は、珍しく慣れないことをひとつ引き受けてしまった。現場に入るまでには想像力をフル動員して準備に準備を重ねる。慣れないことをするときは、延々とその時間が続く。終わりそうもない。なんだかとても手離れが悪く、頭をうまく切り替えることができない。少し困惑している。たまにはそんな時間も必要なのかも、と前向きに捉えつつ、日々の撮影を続けて行く。瞬発力を最大限に上げていこう。

 ということで、せっかくの夏なのに、バイクに乗って出かける時間がない。少し前に思い立って信州へ走りにいっておいて本当によかった。いまはあの日の夏空を思い出しながら、東京の夏空を見上げる時間。



AZUSA-Gawa.River NAGANO 2018
写真は信州松本県道25号、通称山麓線にかかる梓川橋。
欄干が綺麗に塗り直されていて素敵。こうして気楽に停車して撮影を楽しめるのもバイクのいいところ。



「夏はどこまでも夏だ」
このフレーズが10代の頃から耳から離れない。
丸山健二さんの「見よ、月が後を追う」からの一文は、ぼくの夏のイメージそのものになっている。
時間ができたら、ゆっくり読み返したい一冊。


夜はどこまでも夜だ、
夏はどこまでも夏だ。

私たちは走っている、
私たちは流れている、
私たちは動いている。

見よ、月が後を追う

「見よ、月が後を追う」より  丸山健二 著 文藝春秋 


SUMMER TOURING IN NAGANO 2018
写真は梓川の土手の上。SRは足つきもいいし躊躇せず砂利道へ入っていける。いえ、フラットダートへは行きません(w

週末は台風が来る。
雨風、被害が出ませんように。











03 July, 2018

Back to Basics

SR400 60th Anniversary

YAMAHA SR400 60th Anniversary                    

 17年ぶりにバイクに乗った。今日もいい天気だ。

 正直なところ17年のブランクでかなり緊張した乗り出しだったけど、身体はしっかり覚えているもんだ。右側がアクセルとブレーキといった速度の挙動のコントロール。左側がエンジンとミッションをつなぐギアチェンジのコントロール。右手でアクセルを軽く開けながら、左手でクラッチをゆっくりとつないでいく。左足のつま先でシフトを操作しながら右手右足でブレーキを操作して車体の姿勢をコントロールする。
 遠心力に時に身をまかせつつ時に踏ん張りつつ、向かう方向へ視線を向けるとバイクはピタッと自然にその方向へ進む。この感覚はスキーに似てる。あ、スキーももう17、8年行っていないんだった。両手両足を絶え間なく動かしながら移動していく。
 信号で停止したらギアをニュートラルに入れクラッチをリリース、右足でリアブレーキをかける。アイドリングは心地よい振動とともに身体を揺らす。しばらく走ると両膝の間からは強烈な熱気とともにエンジンの存在感が立ち上ってくる。涼しげな印象のあるバイクだけど、夏はエンジンを抱えて走っているわけだからとにかく熱い。この感覚、そうそう、だんだん思い出してきた。信号がかわってスルスルと走り出すと、ヘルメットをかぶった頭には排気音と風切り音だけしか聞こえなくなる。速度が上がると風圧も上がる。どこかからカレーの匂いがする。日陰を走ると空気がひんやりとする。あ、蝉が鳴いている。空間で移動する車と違って、身体剥き出しのまま、いろんな感覚も剥き出しのまま、全身で移動している。

 バイクって、本当に面白い乗りものだと思う。いつもあたりまえに通っている道が、まったく違う世界に感じられる。






  YAMAHA SRは400ccの単気筒。スタンダードでオーソドックス。製造されてから40年間、デザイン的に大きな変更をせずに生産され続けて来た日本のバイクらしいバイク。いままでいろんなバイクに乗って来たけど、40歳を超えて長いブランクのあとに乗り出す今のぼくにはピッタリだと思っている。

 Back to Basics。

 写真は20年ほど前。当時の愛車Vmaxと妻のYB-1。SRのトコトコと走り出す感覚は、単気筒のYB-1に通じるものがあるかな。YAMAHAらしい曲線の美しさと、Vmaxを思い出す懐かしいイエローのタンク。ぼくにとってSRは、そんな愛着が湧いてくるバイクだ。






Goodbye, a bicycle for children
 
 うちの子たち二人とも自転車に乗れるようにしてくれたスヌーピーの黄色い自転車。もとは兄のところで姪が使っていたもののお下がり。
 この自転車が姪とそして娘二人をいろんなところへ連れて行ってくれた。それまでの公園で乗ってた三輪車でもなく、母親の自転車の後ろでもなくて、自分で漕いで進んで、どこまでもどこへでも連れっていってくれる乗りもののはじまり。今はもう小さくなって誰も乗れなくなってしまったので、ここでお役御免。長いことお疲れさまでした。ありがとう。
 この自転車と入れ替わりで、我が家に新しくきた黄色いバイク。こいつはぼくたちにどんな景色を見せてくれるんだろう。


  17年前にご心配かけたみなさん、ごめんなさい。また帰って来ちゃった。安全第一で自分を活かす趣味として楽しんでいこうと思います。



afternoon's Riverbed

 さて、今日も朝からいい天気だ。
 梅雨明けの日差しが容赦ないけれど、風通しいのいい土手の上までちょっと走ってこよう。