31 October, 2018

秋空ツーリング(のぶしな〜更埴)

Overlooking the Chikuma River,at Obasute NAGANO

 「田毎の月」の棚田で有名な姨捨。千曲川の流れがたおやかな善光寺平南端の眺め。夜景で有名な景勝地は昼間にきてももちろんすばらしい。



安曇野から小谷、糸魚川、直江津経由で長野市へ行ったのち、一度、安曇野にもどって、、、


pizza_done

 安曇野に戻ると実家の近くに新しいピザ屋ができていた。真新しいログハウス調のお店、聞けば10月オープンしたばかり。さらには店主の前職はカメラマンで以前は東京で広告や雑誌を撮っていたと。さらにはバイク乗りで「雨の中ようこそ、お店をオープンしてからあなたが二人目のライダー。バイク好きなのでライダーの集える場所にしたいんだけど、これまでバイクできたのはスクーターに乗ったおばちゃん一人だけなんだよ(苦笑」と。

ランチのピザは4種類。もっちりとした生地が美味しい。オーソドックスなトマトベースも美味しいけれど、味噌ベースがこれまた新鮮な旨さ。今度は晴れた日に友人とまたきます。もちろん、オートバイに乗って。

Pizza Cafe  Done
〒399-8303 長野県安曇野市穂高4360-1
Lunch  11:30-14:30  Dinner 17:30-21:00  水曜定休


Julian

 安曇野にもどったのは彼と散歩するため。ひさびさに長い距離を歩いたね。



 昨夜から降ったりやんだりの雨にすっかり濡れながらひさびさのオートバイ暮らしを満喫している。雨風はしのげず、ひとも荷物もそんなに乗らない。ほっておけば倒れるし、音も振動もそれなりにあって。いい音で音楽やラジオを聴きながらお茶を飲みながら、ながらながらとあれこれする余裕はもちろんなくて、両手両足、体全体で操作しないとちゃんと走れない。オートバイって自動車にくらべると不便きわまりない乗り物なんだけれど、乗り物としてこっちの方が楽しいのは、いったいなんでなんだろう・・・でも、やっぱり晴れてるほうが100倍気持ちがいいよな、なんて考えながら、途中コインランドリーよって濡れた雨具や衣服と一緒にそんなヨレヨレな気分も乾かして、ふたたび長野市へ。


Strange bar,Neonhall at NAGANO

 長野の夜はやっぱりここネオンホールへ。夜遅くまでしっぽりと楽しんだ明朝、友人宅の玄関先をみて「やっぱりここにテント張って寝たいな。」と思う。たしか前回泊まったときもそうだった。けれどここにくるのはいつも真夜中。千鳥足で酔っぱらって真夜中に設営はできないんだよね。ショッキングピンクのベスパがおしゃれにたたずむ素敵なキャンプ場(のような友人宅の玄関前の芝生の庭)にいつか幕営したい。

Pink Vespa









 翌日のお昼は、信州新町、信級(ノブシナ)地区へ。昨日お世話になったすてきなキャンプ場の先輩が携わる村の食堂かたつむりへ。ここはいわゆる限界集落。以前は1300人ほどが暮らしていた山の村、今では10分の1ほどの人口に減ってしまったその限界集落出身の編集者が「のぶしなカンパニー」を立ち上げ、集える場所を作り、ひとを繋げ、発信と交流を織りなすことで限界集落ならぬ限界を突破した未来型集落を目指す場所。村の人、村を訪れる人、みんなを巻き込んで山で生きてきた”いとなみ”を繋いでいる。
 先日、アルパインクライマーの花谷泰広さんが、難度の高く前人未到のルートでの登頂に挑戦する理由を「情報がないことがなによりも贅沢なことだ」と語っていた。交通機関も不十分で、信号も自動販売機もひとつもないこの集落には商店もなく、夜はまっ暗になる、都会からみたらなにもない場所。そんな場所にぼくらがゆっくりできる居場所を作ったことも、実はとんでもなく贅沢なことなんではないかな。


Cozy cafeteria "Katatsumuri" at Nobushina NAGANO


Cafeteria "Katatsumuri" at Nobushina NAGANO


Today's set meal at Nobushina NAGANO



Coffee made from brown rice, at Nobusina NAGANO

 この日の のぶしな定食は「なすとピーマンはさみ揚げ、れんこんとしいたけ煮物、玉子焼き、パプリカのナムル、なめこの味噌汁」。素朴かつ温かな献立に欠かせない米、米ががなんといっても旨いのだ。
 食後に「信級玄米珈琲」をいただく。玄米も、それを焼く炭も、もちろん水も、すべてのぶしな地区のもの。驚きのフードマイレージ、ゼロ。ここへ飲みに来る意味のある一杯だ。

 下の写真は今年豊作のキノコの中でも香り高い香茸(コウダケ)。吊るして乾燥させているだけでも部屋中、香るほど。炊き込みご飯に入れたり、天ぷらでいただいたり、、、と、ひとによっては松茸より旨い!と聞いたので、ぜひ次回はいただいてみたい。(今回は干してあるだけ、香りだけ、、、残念。)

村の食堂かたつむり
長野市信州新町信級中村5554−1
11:30 - 17:00(金曜日の夜はバル営業!!)
月曜定休 / 0262-19-2470


Unique fragrant aroma mushroom,"Kobu-Take"


Old elementary school at Nobushina NAGANO

 再訪を誓って、のぶしな地区をあとにして東京への帰路へついた。居心地のいいのぶしな地区で、ついついのんびりとすごしてしまったけれど、日没前には無事帰宅。
 単気筒のYAMAHA SR400で初の海は日本海だったね、雨にも降られてトータル1,007kmの秋のツーリング。風は少し冷たくなってきたけど、まだまだ、いい季節だ。


R19 and Sai river


23 October, 2018

シーズンオフの海岸で

Red motorcycle and yellow motorcycle, two men



海岸で話をした。
海を見ながら話をした。
珈琲を飲みながら話をした。
写真の話をした。
仕事の話をした。
友達の話をした。
オートバイの話をした。
いろんな話をした。

気がつくと、いまにも雨が降りだしそうだった。


Go north and hit the sea,at R8, Itoigawa NIIGATA

 長野県小谷村をあとにして向かった先は日本海。大町市から糸魚川市へとつづいたR148、塩の道から西頸城(くびき)広域農道をはしってR8へ。海岸沿いをゆくR8は快適なシーサイドラインだけれど少し山側をはしる広域農道は日本海の展望もひらけて、交通量もすくなく、森のなかのアップダウンが心地いい。夕陽の撮影スポットとして有名な名立の鳥ヶ首岬灯台の手前、名立大橋からふたたびR8にもどり、砂浜沿いを北上していく。このルートは快晴の夕方にまたはしりたい道だな。その時は北上ではなくて南下してくるのがいいかもしれない。沈む太陽と海を眺めながらずっとはしっていける。
 今回の目的地は直江津。長野市にいる先輩が海岸で珈琲をのもうと誘ってくれた。待ちあわせ場所はライダーの聖地ともいわれているらしい中華料理店、ニューハルピン

Chinese restaurant where riders gather


temporary closed...

 しかし、残念ながらこの日は臨時休業だった。期待してお腹をすかせて、はるばる来たんだけどな、と、残念ではあったけれど、まぁいい。またここへくる理由ができた。

 数件の中華料理屋やおしゃれなパン屋などを検索してみるもどこも定休日だったり、どうも今日は間が悪かったみたいだ。こんな日もあるさ、と、海沿いのなんの変哲もない定食へむかう。窓からは海がみえて、シーズンオフの観光地の、普通の食堂のいつもの昼時で満ちていて居心地がよかった。あきらめきれずにラーメンをたのんでしまったけれど、味も価格も普通だった。

Meal without characteristic features along the coast


A man who drips coffee on the coast


Drink coffee with a bowl to eat soba


 そのあと海岸で珈琲を淹れてもらう。いわゆるアウトドアでのお茶、珈琲での野点にこだわった結果、様々な工夫のみられる野点セットの中で、これは!と思ったのが蕎麦猪口のコップ。アウトドア用品を物色していると、頑丈なステンレスやホーローのマグ、または軽くて壊れる心配の少ないシリコンや木製のカップを選んでしまいがちだけど、厚手で比較的頑丈、さらにスタッキングもできてこれはいい。
 焼き物やガラスの器は野外には不向きかもしれないけれど、野点を目的にするならば、そこに気をつかえばいいことだ。なによりも温かみがある、壊れやすい器だからこその良さがある。

Red motorcycle and a man

 ミュージシャン、フォトグラファー、ライター...とひとつの肩書に括られることのない活動を、学生時代からずっとつづけてきている先輩、清水隆史さん。ぼくが突然思い立って、「オートバイでそっちへ行きますよ〜」の言葉に、二つ返事で「じゃ海岸で珈琲のもうよ」と忙しい中、まっ赤なHONDA CB400FOURに乗って直江津まで駆けつけてくれた。男二人でシーズンオフの砂浜で珈琲のんでなにが楽しいの?って笑われそうだけど、いいじゃないか、めちゃくちゃ楽しいんだから。
 このあと、すっかり雨に降られてしまい、県道37号で長野市内にむかう頃にはジーンズの裾もびっしょりに。雨宿りといいつつご自宅にお邪魔して、甘いものをいただきながら話は尽きない。すっかりお邪魔しました&ごちそうさまでした。また、ニューハルピン、リベンジですね。また暖かくなったころツーリングいきましょう。


Time of rain shelter

 もう少しだけ旅はつづきます。






19 October, 2018

秋空ツーリング(鎌池散策〜雨飾山登山)

Autumn kama pond Otari NAGANO 2018

 雨飾山の長野県側の麓、小谷温泉近くにある鎌池。快晴の朝陽の中で鏡のような水面に色とりどりの葉を写し、美しかった。

 新潟県との県境に雨飾山はある。昨年冬、家族で小谷村大網集落の火祭りへ参加し、ぼくの娘が雨飾山の神様へ生贄として選ばれた。その時から、いつか山頂までいって神様に火祭りの御礼、ご挨拶を、と思っていたので、今回、オートバイに荷物を積みこみ、登山&キャンプツーリングと少し欲張りなプランを立てた。

Morning kama pond


Mountain climbing path of Mt. Amakazari NAGANO 2018


Forest bathing


Climbing path of autumn leaves at Mt.Amakazari NAGANO 2018


 荒菅沢は沢の河原の休憩どころとなっている。下の写真で見ると、右側に流れる白い石の谷筋の下だ。沢沿いに登っていくルートもあるようだけど、一般的なルートは沢を渡って森の中。青空広がる尾根筋に出るまでは、紅葉の樹林帯の中を登る。尾根に出るとこれから登る先と、これまで登ってきた道とが見渡せてその高度感がすごい。


Mountain of autumn leaves at Mt.Amakazari NAGANO 2018


View from the summit to the north


From the summit


_DSC3268



 一歩一歩でしかないのに、こんなにも高いところまで登ってこれるんだなと実感する。雨飾山山頂は南峰と北峰のふたこぶになっていて”猫の耳”とも呼ばれているそうだ。北峰に佇む石仏は、さらに北の越後、日本海の方を向いている。ここまで歩いてきた道を振り返ると笹平から山頂に続くトレイルが横顔のようにみえる。雨飾の女神の横顔。あ、そうか、雨飾山の神さまは女神?だったのかな?そのロマンティックな名前からくる優しいイメージとは裏腹に、急登な登山道とゴロゴロとした岩の多い険しい登山道だった。下りは浮石も多くて気を使うけれど、高度感ある登山道を、はるか下界の風景を眺めながら降りていくのは本当に気持ちがいい。紅葉は上から下まで真っ盛りだ。

Mountain case at Mt.Amakazari NAGANO 2018


Sunlight through the mountain trail at Mt.Amakazari NAGANO 2018


Climbing path of autumn at Mt.Amakazari NAGANO 2018

 下山後、小谷温泉で汗を流してから雨飾高原キャンプ場に幕営。このキャンプ場は車で横付けできるオートキャンプ場の他に、登山道入口の駐車場脇に¥1000/1泊で利用できる登山者用のサイトがあってソロキャンパーにはとても便利だ。暗くなる前に夕飯の支度して、純米吟醸 雨飾山をいただきながら宮本常一先生の「塩の道」を片手に一献。食事は手抜きだけど、お酒は手抜きできないよね。うまい。(下の写真は20年もののLOGOSのツーリングドーム。いい加減、もっと軽くて山でも使えるかっこいいテントが欲しいけど、頑丈で使い勝手良くて、実は気に入ってるんだよね)


Base camp for mountain trails


Tonight's Supper

Morning glow of the North Alps


 10月に入ってちょっと暇になった。寒すぎず暑すぎず信州は紅葉が美しい頃。いまを逃すとまたしばらく遠出はできないな、と、荷物をまとめてオートバイに積んで日暮れ前に出発した。
 
 キャンプツーリングとなると20年ぶりくらいかな。今回は登山もするので心配だからあれもこれも積みたくなるけど、重たくなりすぎては、せっかくの身軽さがスポイルされてしまう。でも雨具や防寒具などは快適さだけでなく命に関わる。なにを載せて、なにを載せないか。オートバイでのキャンプツーリングは、装備・荷物の選択、パッキング、積み込みなど、色々と考えることがあって難しい。 けれど、それこそがこの乗り物での旅の楽しいところなんだとも思う。

 現在も70代編日本一周で全国を走り回っている、鉄人ライダー賀曽利隆さん曰く「オートバイは健康器具です!」(昨年8月からSUZUKIのV-strom250ですでに8万kmオーバー!!)
 限られた条件の中で、荷物を選び、積み込み、路面や交通、天候と状況を読みながら、手足をそれぞれ器用に動かして全身でスピードと重力をコントロールする。頭と身体をフル回転させながら跨る乗り物。ボーッとしてたら乗れっこないな。

やっぱ、気持ちいいな。堪能。


秋の旅は、まだ続きます。

02 September, 2018

8月33日

Plant cabbage seedlings for winter


 お盆を過ぎたあたりから、畑の様子ががらッと変わった。夏の入り口からどこまでも遠くへ蔓を伸ばしていたキュウリはその大きな葉を黄色くした途端、空へ伸びたまま絶命した。畑の紅一点、彩だったトマトはすっかりと雑木林のように生い茂り、すでに小さい実しかつかなくなっている。とり損ねた実は地面に落ちて、そこから新たな芽を出していたり、枝になったまま大小様々な芋虫に中身の美味しいところだけを食い破られていたり、畑はけっこう壮絶でドラマチックだ。
 食べることを最重視するならば、やっぱりまめに足を運んで様子を見て、水をやり、虫をとり、と手間をかけてやらないといけないもんですな。食べることを最重視するならば農薬をしっかりと散布する、という手もあるわけですが。こうして自分で作って、自分で食べる側になって見ると、農薬絶対反対!ともいえず、かといってガンガン農薬使って虫がつかないように育てよう!という気にもなかなかなれず。食べるものを作る難しさというものも、ひしひしと感じています。
 写真は、冬に向けて植えたキャベツの苗。苗を植え替える際には根瘤病を抑えるネビジンという殺菌剤を土によく混ぜ、蛾の幼虫ダイコンシンクイムシに若葉や成長点を食べられてしまわないように殺虫剤をまく。お膳立てを整えたらあとは天気と土が作物を成長させていく。年末までには美味しいロールキャベツが食べられるだろうか。


 大番狂わせで大いに盛り上がった甲子園を終えると、あとの8月は、映画館の会場の灯りがつくのを待ちながら、なんとなくエンドロールを眺めているような夏の終わり。



Roadside of Utsukushigahara Plateau



See the city of Matsumoto from afar



Metoba-gawa Riverside walk Matsumoto NAGANO


Sunset at Hirase-bashi Bridge Azumino,NAGANO



 写真は7月中旬、スケジュールの隙間に思い立って走りにいった信州の夏の日。この日は本当に夕焼けが綺麗で町中の人が空を見てた。この夕焼けをここで見れたから、この夏、乗り切れた気もする。

 SR400を迎え入れたのが7月1日。あの頃からありがたいことに仕事の連絡が続いていて、その代わりバイクに乗って出かけることができない。まるでこの夏の畑と区民プールの往復のために買ったような気もする。もしかして仕事を連れてきてくれる幸運の黄色いオートバイ?それはなんともありがたい話だけれど、少しは一緒に遠出したいんだけどな。隣で妻が、バイクはどこにも逃げないからいいでしょ、と笑っている。


 目まぐるしく変わる空模様で、毎日がどんどん塗り替えられていく。久しぶりに子供と一緒にちびまる子ちゃんを見て、風呂入って、一杯飲んで日曜日を堪能しよう。今年の夏は8月33日まで。いつもより少しだけ長かった8月も今日で終了だ。


A river that tells autumn


27 July, 2018

夏はどこまでも夏だ

夏空




 夏が好きです、とっても。撮影前に駐車場でひとしきり汗をかく季節。あおげば青空、夏の空。

 夏好きのぼくとしてはいつまでもこの季節が続いて欲しいけれど、そういうわけにはいかないから、だからいいんだろうとは思っている。夏の取材はひと段落。けれど今年はまだまだ撮影が続く。ありがたいことだ。

 撮影はライブだと思う。日々の鍛錬と準備を怠らず、いつでも実力を出せる準備をして、そして瞬発力と持久力で現場に臨む。頭の中はそのことだけに集中して、撮影が終われば、また次の撮影のことを考える。明後日のことを考えながらは撮れない。目の前にあるものをどう撮るのか、経験と技術という引き出しをフル動員して乗り切る。この夏は、珍しく慣れないことをひとつ引き受けてしまった。現場に入るまでには想像力をフル動員して準備に準備を重ねる。慣れないことをするときは、延々とその時間が続く。終わりそうもない。なんだかとても手離れが悪く、頭をうまく切り替えることができない。少し困惑している。たまにはそんな時間も必要なのかも、と前向きに捉えつつ、日々の撮影を続けて行く。瞬発力を最大限に上げていこう。

 ということで、せっかくの夏なのに、バイクに乗って出かける時間がない。少し前に思い立って信州へ走りにいっておいて本当によかった。いまはあの日の夏空を思い出しながら、東京の夏空を見上げる時間。



AZUSA-Gawa.River NAGANO 2018
写真は信州松本県道25号、通称山麓線にかかる梓川橋。
欄干が綺麗に塗り直されていて素敵。こうして気楽に停車して撮影を楽しめるのもバイクのいいところ。



「夏はどこまでも夏だ」
このフレーズが10代の頃から耳から離れない。
丸山健二さんの「見よ、月が後を追う」からの一文は、ぼくの夏のイメージそのものになっている。
時間ができたら、ゆっくり読み返したい一冊。


夜はどこまでも夜だ、
夏はどこまでも夏だ。

私たちは走っている、
私たちは流れている、
私たちは動いている。

見よ、月が後を追う

「見よ、月が後を追う」より  丸山健二 著 文藝春秋 


SUMMER TOURING IN NAGANO 2018
写真は梓川の土手の上。SRは足つきもいいし躊躇せず砂利道へ入っていける。いえ、フラットダートへは行きません(w

週末は台風が来る。
雨風、被害が出ませんように。











03 July, 2018

Back to Basics

SR400 60th Anniversary

YAMAHA SR400 60th Anniversary                    

 17年ぶりにバイクに乗った。今日もいい天気だ。

 正直なところ17年のブランクでかなり緊張した乗り出しだったけど、身体はしっかり覚えているもんだ。右側がアクセルとブレーキといった速度の挙動のコントロール。左側がエンジンとミッションをつなぐギアチェンジのコントロール。右手でアクセルを軽く開けながら、左手でクラッチをゆっくりとつないでいく。左足のつま先でシフトを操作しながら右手右足でブレーキを操作して車体の姿勢をコントロールする。
 遠心力に時に身をまかせつつ時に踏ん張りつつ、向かう方向へ視線を向けるとバイクはピタッと自然にその方向へ進む。この感覚はスキーに似てる。あ、スキーももう17、8年行っていないんだった。両手両足を絶え間なく動かしながら移動していく。
 信号で停止したらギアをニュートラルに入れクラッチをリリース、右足でリアブレーキをかける。アイドリングは心地よい振動とともに身体を揺らす。しばらく走ると両膝の間からは強烈な熱気とともにエンジンの存在感が立ち上ってくる。涼しげな印象のあるバイクだけど、夏はエンジンを抱えて走っているわけだからとにかく熱い。この感覚、そうそう、だんだん思い出してきた。信号がかわってスルスルと走り出すと、ヘルメットをかぶった頭には排気音と風切り音だけしか聞こえなくなる。速度が上がると風圧も上がる。どこかからカレーの匂いがする。日陰を走ると空気がひんやりとする。あ、蝉が鳴いている。空間で移動する車と違って、身体剥き出しのまま、いろんな感覚も剥き出しのまま、全身で移動している。

 バイクって、本当に面白い乗りものだと思う。いつもあたりまえに通っている道が、まったく違う世界に感じられる。






  YAMAHA SRは400ccの単気筒。スタンダードでオーソドックス。製造されてから40年間、デザイン的に大きな変更をせずに生産され続けて来た日本のバイクらしいバイク。いままでいろんなバイクに乗って来たけど、40歳を超えて長いブランクのあとに乗り出す今のぼくにはピッタリだと思っている。

 Back to Basics。

 写真は20年ほど前。当時の愛車Vmaxと妻のYB-1。SRのトコトコと走り出す感覚は、単気筒のYB-1に通じるものがあるかな。YAMAHAらしい曲線の美しさと、Vmaxを思い出す懐かしいイエローのタンク。ぼくにとってSRは、そんな愛着が湧いてくるバイクだ。






Goodbye, a bicycle for children
 
 うちの子たち二人とも自転車に乗れるようにしてくれたスヌーピーの黄色い自転車。もとは兄のところで姪が使っていたもののお下がり。
 この自転車が姪とそして娘二人をいろんなところへ連れて行ってくれた。それまでの公園で乗ってた三輪車でもなく、母親の自転車の後ろでもなくて、自分で漕いで進んで、どこまでもどこへでも連れっていってくれる乗りもののはじまり。今はもう小さくなって誰も乗れなくなってしまったので、ここでお役御免。長いことお疲れさまでした。ありがとう。
 この自転車と入れ替わりで、我が家に新しくきた黄色いバイク。こいつはぼくたちにどんな景色を見せてくれるんだろう。


  17年前にご心配かけたみなさん、ごめんなさい。また帰って来ちゃった。安全第一で自分を活かす趣味として楽しんでいこうと思います。



afternoon's Riverbed

 さて、今日も朝からいい天気だ。
 梅雨明けの日差しが容赦ないけれど、風通しいのいい土手の上までちょっと走ってこよう。












25 June, 2018

夏の入り口

The beginning of summer harvest of the field in 2018



 このひと月で、畑の様子は一変した。トウモロコシは背丈ほどの高さに伸び見通しが悪くなった。緑の葉だらけになった畑には、いよいよトマトがポツポツと赤い彩りを添えている。キュウリはしばらく収穫しにいかないとウリのようなお化けキュウリに。低いところにナスも実をつけはじめた。秋までのんびり楽しめるかな。

 梅雨の合間に、夏の入り口みいつけた。