池口正和さんの写真展が外苑前のギャラリーで開催中。
池口さんと初めて出会ったのは2008年、北九州で猫の写真を撮っていた彼が、東京の猫を撮るために上京してきたとき。当時はまだ大規模な猫の写真展が行われることも少なかった頃で、猫の写真を展示やインターネットで発表する作家さんも多くはなかった。彼の上京から、東京猫語り、4色の猫、東京猫物語と野良猫写真グループの活動が活発化していく。その中心にはいつも池口さんがいた。
その彼が、12年にわたる東京での生活に終止符を打って、北九州へ帰る。それに合わせ急遽、セッティングされた個展。思えば池口さんの写真を個展で見るのは6年前の門司港での展示以来だ。
「月日は流れ、街も人も元号も変わり、猫も街から姿を消していった。僕の中の東京がどんどん記憶に変わっていく。」
入り口にあるステイトメントの一節に貫かれた。彼はいま、カメラを持って街に何をみているんだろう。そしてぼくは。
展示は12年間の東京での猫写真の集大成、未発表作品もふくみ、懐かしくもあり、驚きもあり。写真って、やっぱり人柄がでる表現なんだなって思った。
nine gallaryさんの大きさもちょうど良い落ち着いた空間で、A3ノビに印刷されて横一列に並べられた作品はとてもみやすく集中できる。昔から池口さんの展示は変わらずこのスタイルだ。北九州時代、ラボでプリントマンだった彼の写真は当然ながらプリントがとても綺麗で、うちにも横たわっている10年選手となったEPSON PX-5600でもきちんとプリントすればまだまだいけるんだ、と嬉しくなった。
いまはありがたいことに日々、仕事でシャッターを切らせてもらっているけれど、自分のために、そんでやっぱり、猫に向かってシャッターを切りたいな、そして個展したいな、って素直に思う、素敵な写真展でした。ぜひ。
日程:2020年10月20日(火)〜10月25日(日)
時間:11時〜19時(最終日は17時まで)
場所:Nine Gallery(ナイン ギャラリー)
東京メトロ銀座線外苑駅 出口3より徒歩3分
入場料:500円
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