28 November, 2017

武蔵野

Field of taro

taro

 信州をあとにして中央道を南下して向かった先は武蔵野の農家。いつもお世話になっている料理家さんの畑で、里芋の収穫をされるということでぜひ!と参加の手を挙げた。
 ジャガイモは今年から参加している共同農場でこの夏、収穫したけれど、里芋の収穫は初体験。あのでっかい葉っぱの下が一体どんな具合になっているのか楽しみだった。大きな葉が特徴的なするりと伸びた茎を根元からバッサリと切って、周りをシャベルで掘り起こしていく。収穫はいつも宝物の発掘作業のようでワクワクドキドキ。持ち上げると髭のようなような立派な根がぶら下がり、大きな土の塊が出現する。ボコボコといびつに飛び出た部分を手でひねり折ると、思ったよりも軽く「パキッ」と取れる。見覚えのある里芋の形。茎の中心部は親芋と言われる巨大な里芋で、そこからニョキニョキと里芋が生えている。一つずつ手で弄りながらパキッと折る作業はクセになる感覚で、参加している子どもたちも、いくら掘っても、いくら折っても、まだ足りない様子だ。
 驚いたのは親芋の部分。里芋を取って、根っこを取って泥を落とすと、見た目はハンドボール大の巨大な里芋。実際に皮をむいて蒸したり、レンジで温めて巨大な里芋として食べられるそうだ。早速、帰宅して親芋を調理したところ味は里芋のそれそのも。なかなか一般的なスーパーには流通しないそうだが、これ、皮むくのは楽だし可食部が多くて重宝するんではないだろうか。里芋、親芋、おそるべし。とても貴重な体験でした。伯母直美先生、ごちそうさまです。ありがとうございました。

Farmer in Musashino

 武蔵野の畑は空が広い。夏は草も虫も多いけれど、この時期の収穫は快適。短い日照時間の中でも、陽の光と土からの栄養をその身に蓄えてじっくり成長を続けていく冬の野菜。夏野菜のようなガツンとしたパンチはないけど滋味深くて身体に優しく沁み込んでいく。


Japanese radish


winter citrus,Kabosu


 収穫のタイミング、食べ頃、熟れ頃、その瞬間を見逃さないように旬を取り込んでいかないとね。

11月の信州 後編

前編はこちら

Blue sky, persimmon and old warehouse

New buckwheat season


 信州新町美術館の写真展を後にし国道19号を緩やかに南下して、安曇野で両親と合流、新蕎麦を食べる。これは今回の目的にはカウントしていないけど、この時期の信州で外すことのできないイベント。実はライブ翌日の昼も、鴨さんはじめ長野の友人としっかりと新蕎麦を堪能している。滞在中、毎食蕎麦でいい。それほど美味いと思う。ただ、冬の信州、底冷えした身体で店に入ると毎回、注文をする前に温かい蕎麦にするか冷たい蕎麦にするか悩む。悩むんだ。あぁ、温かい汁につかった蕎麦を湯気の中すするのも美味しそうだ。だが、頼んだことはない。やはり冷水でキュッと締めたざるそばをいただく。そして食べ終えた後に茹で湯をいただいて漬物をつまみながら満たされる。いつか温かい蕎麦を頼む日は来るのだろうか。(今度は両方注文してみようかな)

 昼食後、松本へ向かう。松本は学生時代を過ごした町。ぼくにとっては第二の故郷という感覚。今日はここ松本で、ご無沙汰している方々に久しぶりの挨拶をしに来た。

A quirky photo shop,Mastumoto NAGANO


A quirky photographer's master ”ZEN”


talking about Photo


 一人目は松本の東、美ヶ原への登り口となる里山辺の手前にある”写真工房ZEN”さん。ぼくが写真を始めた大学生の時、世の中はまだフィルムカメラ全盛で、ZENさんのところでフイルムの入れ方からモノクロ現像、プリントのいろはを教えてもらった。ぼくの写真の入り口と言える場所。信州大学の笹本教授(現長野県立歴史館館長)と一緒に道祖神など民俗学的な見地から松本を調べ撮影された本を出版されたり、ちょっと尖った、只者ではない写真屋。真冬の上高地に撮影ツアーで連れて行ってもらったり、中古のレンズを探してきてもらったり、写真のいろんな楽しみ方をここで教わった。それが2000年頃。その頃から世の中にデジタルカメラがだんだんと普及してきて「でもまだ高いよね〜」「高い割にはまだまだ画質が悪いよね〜」なんて店内で写真仲間が集まっては写真談義していたっけ。
 2005年にフイルムカメラとデジタルカメラの販売数が入れ替わり、それ以降はご存知の通りフイルム事業は一気に縮小の一途をたどる。その頃から”写真工房ZEN”は街の写真屋から徐々にこだわりの写真屋に変化して行く。頑なにデジタルカメラを拒んだZENさんは、写真屋の主人から肩書きを”現像師”にかえて、店内の内装はまるで暗室の中のように黒く、コンパクトカメラから一眼レフ、中判と銀塩写真機が所狭しと並べられ、壁から天井まで貼れるところにはZENさんの来店スナップのL判が敷き詰められている。気軽に写真をプリントしに行く町のDPEは、銀塩一筋の個性派写真屋となって今も現像機を回している。
 それにしてもZENさん、前回お会いしたのはもう3、4年も前のこと。お会いするたびに若くなっているような気がする。すごい熱量。デジタルカメラなんてぶら下げて行ったら入店拒否されそうな勢いだが、昔のよしみで入店させていただき美味しいコーヒーをドリップしてもらい、来店スナップ返しでこちらも一枚撮らせていただいた。「Bigを追わず、Bestに挑む by 興膳禎嘉」


Matsumoto city and the North Alps at sunset time


 昨日も一昨日も雲に隠れて顔を出さなかった北アルプス、常念岳。夕方になってやっとその姿を見せてくれた。ここから眺める松本市街越しの常念岳と北アルプスがぼくは大好きだ。

 この週末はちょうどまつもと市民芸術館にて岳都・松本 山岳フォーラムが開催中。この夏、お世話になった甲斐駒ケ岳七丈小屋の主人 花谷泰広さんが講演で登壇するとのことで拝聴しにいく。会場では様々な団体、メーカーがブースを出して賑わっていて、講演会場も満席御礼でいっぱいだった。そんな大勢の人がいる会場内で、隣の人に「スーちゃん?」と声をかけられた。ぼくがアルバイトで学生時代お世話になっていた乗鞍高原ペンションありすのママが、観光協会の応援で会場に来ているとのこと。2年ぶり?3年ぶりかな?ひさしぶりの再会、しかもこんなところで偶然に。こんなことってあるんだねぇ。また雪の季節に家族で遊びに伺う約束をして会場を出た。
 
 そもそも、同じようなことに興味を持った人は、やっぱり同じような本を読み、似た場所や事柄に興味を持っていて、行く先々で再会する確率が高い。バックパックを背負って旅に出ると、だいたいの目的地やルーティングも似ていて、旅の間、何度も再会を繰り返すひとがいる。そういったひととは、やっぱり話も合うし、友人となることが多いよね。運命も感じてしまうかも。心細い旅先で、こうして心通える人に会える喜びは確かなものだと思う。

Back alley of Nawate Street,Matsumoto NAGANO


 日没後、銭湯 塩井の湯でさっぱりしてゆっくり温まって、酒茶屋やんちゃ亭へ向かう。やんちゃ亭もぼくの当時のアルバイト先で、日々の食事処でもあって、もちろん呑み処である。バイトし終えて即、その日の稼ぎでまかないにビールをつけて閉店まで呑んでたり、ぼくの胃袋をがっちり掴んでいるたいへんお世話になっていたお店。卒業後もいつも温かく迎えてくれ、ぼくにとっての松本の帰る場所だ。松本にしばらく来れていなかったのでやんちゃ亭にも来るのも2,3年ぶり。だがしかし、残念ながら本日貸切のためNGとのこと。連絡せずにいつもふらっと訪れる自分が悪いのだが、元気な顔を見せ、元気な顔を見て「また出直します!」やんちゃ亭で飲み明かすのは、また次に来た時の楽しみに。

 超がっかりしながらも、父、安曇野の友人たちとひさしぶりの外呑み、松本呑みで、居酒屋たぬきへ。その後、士官学校とハシゴして、〆はエルボールームへ。エルボールームに行くのは7年ぶりくらい。7年前、写真集「4色の猫」を出版したばかりで、そんな話になった時にマスターのナベさんが後日、写真集をAmazonで購入してくれた。でも7年も飲みに来てなくてもちろん覚えてないだろなぁ〜と思って飲んでたら「巣山さんですよね、写真集、良かったですよ」ってさっと出て来た。覚えていてくれたことも驚きだけど、すぐに出て来る場所に置いてあった「4色の猫」そのことがとても嬉しかった。そして、マフラーを忘れて帰って来てしまったので、また行くよ、ナベさん。今度は、すぐに。



Mt. Yatsugatake seen from the expressway


Mt. Fuji seen from the expressway


 がっかりしたり、舞い上がったり、そんな酔いどれた夜のおかげで、朝はすっかり寝坊してしまった。そう、今回の旅の目的の3番目は信州遠美術館で開催中の金属造形作家 角居康宏さんの鍛金展「はじまりのかたち」。午後に用事があったので朝一番に高遠へ、と思っていた。炎で金属を溶かす、その溶けゆく金属に「はじまり」を見出す角居さん。ぜひ展示を見たかったんだが会期は12月10日まで。今回は行けなくて残念。また長野市のアトリエへ遊びに伺います。
 
 帰路はよく晴れた中央道。この道の眺めは、特筆に値する。南を見れば南アルプス甲斐駒ケ岳、諏訪湖の向こうに八ヶ岳。そして八ヶ岳を抜けると甲府盆地の向こうに富士山。脇見運転にならないくらい正面にどんっといる。すごい道だと思う。
 今回も宿題を残してしまったので、また再訪する理由がいくつかできた。こうして時系列で書き出してみると、呑んでばかりの毎日。うん、それは間違いなんだけど、それ以上に、信州へ行きたいなぁ〜って気持ち、それはイコール、人に会いたいんだなぁ、と実感する。長野にいる彼に彼女に、松本のみんなに、乗鞍のあの人に。
 会いたいひとがいる。それはやっぱりすごいエネルギーなんだ。また会いに行くよ。今度会いに行くよ。
 あなたに、今あいたいです。

27 November, 2017

11月の信州 前編

Neonhall,Livehouse at NAGANO



Nice middle hour at Neonhall NAGANO

Pianoman ANIEKY A GO GO

Sachiko Akimoto on Nice middle hour at Neonhall,NAGANO


Pianoman after Live



Deepest place at NAGANO night

Bandman after Live




 11月の信州。終わりかけの紅葉と、標高の高い山上は白く、青空の下、いつも以上に街並みがカラフルに感じる季節。
 ひさしぶりの長野行き。友人の秋元紗智子さんが出演するライブへ。ドラムの鴨さんは大学の先輩。大学時代から長野を中心に伸びやかに活動を続けている二人。場所はもちろん長野のライブハウス ネオンホール。”ナイスミドルアワー”と名付けられた素敵なイベントへはファンキーピアノ弾き語りAnieky A GO GO、ブルージーなバンドサウンドにナイスミドルな切実な叫びが肌身に沁みる無礼講ロッカーズ、大人なピアノサウンドにパワフルで情感たっぷりのシャンソンが響くTina-Kが参戦。えびす講煙火大会で賑やかな長野の夜に静かに、熱い、大人な時間。爆笑しながらも、しんみりと、美味しいお酒と一緒にナイスミドルな時間を楽しみました。ライブ後は長野の夜でいろんな意味でおそらくもっともディープな場所で音楽談義。なんて贅沢な夜。

 翌日は長野の出版社オフィスMの4Fギャラリースペース”からこる坐”にて緒方真太郎 回顧展を見て、1FのBookCafeまいまい堂にて編集長と写真談義。写真家 本橋成一さんと親交の深い編集長 村石氏の含蓄ある鋭い視線をひしひしと感じながら、目の前にたくさんの写真集を広げてヒリヒリとして、けれどもとても熱く、笑いの絶えない時間だった。あんまりにも話が尽きず、ついつい長居をしてしまって慌てて次の場所へ。
 

Nagano city in early winter



Photographer Takashi Shimizu Photo Exhibition




 今回の信州行きの目的は3つ。ひとつは昨夜のナイスミドルアワー。もうひとつは現在、信州新町美術館にて開催されている清水隆史 写真展「nagano style 2003...2017」。清水隆史さんは長野を中心に活躍されている写真家で大学の大先輩。ネオンホールを立ち上げたバンドマンでもあり、地元紙を中心に執筆もされている編集者でもあり、ナガノカルチャーを牽引してきた立役者。現在は「OGRE YOU ASSHOLE」のベーシストとして活躍もされている。学生時代からぼくにとってはすでに雲の上の存在で、すごいなぁ、かっこいいなぁーと憧れの人。彼の撮る写真が好きで、今回、フリーペーパー日和にて長期連載してきた人物写真を94点セレクトし展覧会を開催すると聞いて、いてもたってもいられなくなって来たのだ。
 信州新町美術館は閉館が早く16:30。最終入館時刻ギリギリ間に合うかな〜というタイミングで到着したが、なんと休館日。。。前日23日の勤労感謝の祝日の振替休みでみること叶わず、トボトボと安曇野の実家へ。翌朝朝一番で出直すことになったがこれが結果的には大正解だった。
 信州にゆかりのある人、かかわりを感じ信州で生きているかた、旅の途上、信州に滞在するものたち、94組の人物写真、それぞれにエピソードがあって厚みがすごい。2003年から2017年までと撮影期間が長いこともあり、2017年現在、どうされているかまで追加取材されている。清水さんが撮影時にインタビューして書き起こしたキャプションを読みながら、ひとりひとりの前に立つと、撮影されるまで、撮影された時、そして撮影されたその後までが浮かび上がってきて、じっくりと時間をかけて回りたくなる。閉館前30分じゃ足りないよね。
 前日、まいまい堂で村石編集長と話をしているときに、ポートレイトで有名な写真家 鬼海弘雄さんが浅草寺の境内で何十年にも渡って人を撮り続けているという話が出た。以前、Workshop2Bで教えていただいたこと。鬼海さんの写真はシンプルな背景に一日中フラットな光が回る場所で、一定の状態、距離感で撮影されている。それは、写真的なドラマチックな光やアングル、シチュエーションを排除することで”ひと”そのもの、それだけを、本質を、写し留めようとしているから。そういった信念と、試み、そんな話だった。
 清水さんの写真はそれとは対照的に生活感溢れる場所で、外だったり、屋内だったり、その時その時の光線で撮影されている。そういった場所、空間の濃密さが、その人が信州にいる意味、そしてその暮らしをよりリアルに映し出している。写真はシャッターを切って露光された1/125秒ほどのわずかな時間でしかないけれど、そこには一瞬をはさんで連綿と続いているその人の前後が確実に記録されている、そう感じる厚みのある展示だった。会期は来年二月までと長いので、ぜひ、おすすめです。
 長野の街並みを清水さんの視点で撮影した「見慣れた街・見知らぬ表情 〜長野市の「知られざる風景」50選〜」が現在、長野県内の平安堂書店にて発売中。こちらも、写真というものがただ一面的に写っているものを表現するだけでなくて、背景や歴史、そしてそこに関わるひとと暮らし、たくさんの軸を持つことでものの見え方がかわってくる、面白くなってくる、それに気づかせてくれるディープな一冊。時間をかけて、じっくりゆっくり楽しみたい。
 

Unusual film


 清水さんからC-41カラー現像処理できるモノクロフィルムNEOPAN400CNを数本分けていただいた。国内のNEOPANはモノクロ現像しかできないはずだけど、これはイギリス?のFUJIFILMで販売中のものらしい。中身はILFORDのXP2と同じ?か、どうか、ひさしぶりにNikon FE2にフィルム詰めて撮りにいこうと思う。清水さん、ありがとうございます。













29 October, 2017

独り言

MARUchan at DALIA,Kodenma-cho TOKYO


 七月以来、久しぶりにマルに会いに行った。小伝馬町DALIA食堂。

 ここのところ仕事は忙しかった。いや、正確にはメインだと思っている仕事は思いのほか低調で、それ以外の仕事が多い。仕事に貴賎はないけれど、諸先輩たちの背中を見ていると、望む方向へ繋げていけるだけの計画性と行動力をしっかりと練り上げていかないと、このままは続かない。いつまでもこうしてはいられない。危機感だけを募らせていても、もっと酷い有様になるだけだから、ひとつずつ動いて、確かめていくしかやはり方法はなさそうだ。

 DALIA食堂はモロッコ料理が美味しい。牛肉と無花果と胡桃のタジン鍋、ヤリイカのピルピルを頼む。久しぶりに会う友人は、出会った頃から思えば、住む場所も仕事も、暮らしも随分変わったけど、そういったことを感じさせない距離感の近さは、やはり古くからの友だち特有の感覚だな。それを一層確かなものにしているのがこの空間。DALIA食堂はまるで友達の部屋に遊びに来たかのような居心地の良さがあるんだ。

 ここ最近変わったことといえばヨーグルトを意識して摂るようにしていること。最近は安曇野のヨーグルトがスーパーで売られていて、これがなかなかいい感じ。わりと粘土の高いヨーグルトが好みだ。
 それと、これは夏から変わらないことだけど、よく続いているな、というのがプール通い。夏の間すっかり水泳に夢中だったけど肌寒い季節になったらきっと足が遠のくだろうなと思っていた。でも、逆に拍車がかかって、これはもはや水泳中毒の様相。忙しい撮影から帰って来て、少し時間があればプールへ。自宅でPCの前に張り付いて現像作業をし終えると体をほぐしに泳ぎに。もともと熱中しやすいタチだけど、水の上を滑るように進む爽快感と浮遊感に完全にやられている。といっても、水泳選手のような速度はやはり出なくて、不思議だな、どうしてかな、と、あれこれ工夫をしながら身体の動きを確かめることも、また面白くてやめられない理由の一つだ。
 職業病ともいえる肩甲骨周りのコリを中心に動かせて、ジョギングなどに比べて関節への負担も少なく、心肺機能も鍛えられる。寒い季節も温水プールは快適で、頭の中を空っぽにして呼吸することに集中できる。今のところやめる理由、飽きる理由が見当たらない。ただ身体を動かすことで足りない何かを適度な疲労感で埋めているだけといえばそれまでだけど、気分転換して体力強化できるなら、何もしないよりはまだマシだ。

 最近、仕事じゃないときはNikon D750にMacro-Planarの50mmをつけっ放しにしている。時代はミラーレスなんだろうなと思いつつ、フルサイズの割に小柄で小気味よいリズムで撮影できるD750は過不足ないカメラで、もう一台買ってもいいくらい。とはいっても、発売後、人気のため供給不足でバックオーダーの新型D850がやっぱり気になっているけどね。そして金属製の適度な重さのあるマニュアルレンズは撮る気持ちを明らかに高揚させてくれる。
 カメラはいいものがたくさん出てる。仕事をするために最善のカメラというのも確かにある。それはそのカメラでないと撮ることができないような絶対的性能だったり、費用対効果を考えた上でのベストチョイス。それを否定することはできないのだけど、撮る気にさせるかどうかという、極めて主観的な部分にも大きく左右されてしまう。それでいいんではないか、という気もしている。だってカメラは主観的なものを狙い撮る道具なんだから。

 今週も週末は台風が来ている。週明けはちょっと変わった仕事へ。いや半分以上は愉しみなんだな、これは。そのために今日は4案件ぶんの現像、請求書起こし、納品準備を終えて、今、この時間。久しぶりのブログに吐き出すような独り言。

 明日の朝準備をして、ひと泳ぎしてから出かけようか。明後日以降、いい天気になるといいな。

 おやすみ、またね。



21 September, 2017

Zoo Zoo Zoo

Broad Breasted Bronze turkey

 写真は七面鳥の羽毛。遠くから見ているとただの黒い羽毛にしか見えないんだけど、どうしてこう美しく輝くんだろう。

ひさしぶりのブログの更新。そう、忙しい時ほど部屋の模様替えをしたり、机周りの整頓をし始めたりするのと同じで、時間が無いときほどブログの更新をする気になるらしい、ぼくは。ここのところご無沙汰していたのは、そういうわけで随分と暇だったから。
 暇なら暇で、やることは無限にあるのだけど、なかなか手が動かないのはいつものことで、その度に怠惰な自分を責めても始まらない。畑の野菜も自らの暮らしも季節が変わって進んで行くから悠長なことは言ってられないけれど、慌てて何かを為すには準備が何もできていない。土を耕して、肥料をやって、種を蒔いたらあとは時間をかける。今はまだ雑草ばかりが伸び放題だから、まずは草取りから始めないと。


Ball Python

 写真はボールパイソン。ニシキヘビの仲間。触るとひんやりとしていてサラッとしている。子どもたちはキャァキャァ言いながらも興味津々に触りに来ている。少し離れたところで絶対に触りたくなさそうに酷く嫌そうな顔をしながらスマホで写真を撮っている女性のスマホカバーがヘビ皮っぽいのは笑えない冗談だった。こう見えてよく見るとクリクリしたまん丸な瞳で可愛い顔しているんだけどね。

 子どもたちが久しぶりに「動物園に行きたい!」というので埼玉県こども動物自然公園へやって来た。ここは都心からそう遠く無い動物園の中でも、広大な敷地と広い空、動物も人ものびのびとしている雰囲気が好きでよく来ている。
 今回は新たにリニューアルされたレンズAF-P 70-300VR f4.5-5.6Eの撮影テストも兼ねて。レンズテストをするにも遠景近景、いろんな被写体がいるのでいい場所なんだ。最短撮影距離が全域で1.2mと短い望遠レンズは被写体との距離が取れない際にマクロ的に使えるので重宝する。もう一、二段絞りたいところ...その辺り開放f値が暗いのが辛い。でも手ぶれ補正4.5段に進化したVR搭載、新型のステッピングモータによるAFは動作に気づかないくらい静かで早い。そして何と言っても軽い。シチュエーションに対しての軽さのアドバンテージは大きい。

Cavia porcellus

 可愛い写真も。天竺鼠(テンジクネズミ)。いわゆるモルモット。子どもたちはなかよし広場のふれあいタイム、一時間きっちりと触れ合っておりました。爬虫類や昆虫と違って小型の哺乳類が可愛いと思えるのはやはり種が近い故に意思の疎通がはかれそうだから、なのかな。町の野良猫を撮っていると哲学者のようにすら感じるけれどね。1日3回の接客、彼らも大変な仕事だと思う。


 帰り道の車窓、越辺川を越える高坂橋から。ひさしぶりに気持ちよく晴れて、広くてダイナミックな空を見た。いい休日だった。


From Takasaka bridge on Rote407 ,SAITAMA Japan




25 August, 2017

残暑お見舞い申し上げます

Uodome (meaning fish stopper) waterfall,Karuizawa NAGANO




水の音、涼風、緑のこもれび、とーどけっ。
 残暑お見舞い申し上げます。

 写真は昨年2016年のツーリングマップル関東の取材で訪れた長野県軽井沢の「魚止めの滝」。ここは名前の通りいい釣り場なのか、この写真を撮った背後には釣り人が静かに糸を垂らしていた。
 今年の夏のはじまりは九州豪雨からはじまって、夏序盤は東北の悪天候。迷走する台風5号に右往左往してその後も関東は、特に午後から夕方のゲリラ豪雨で花火大会はみんな大変だった様子。夏本番も梅雨がまだ空けていないかなのような曇天模様。天候的にはあんまりいい夏とはいえなかったけど、もしもカラッと晴れて夏らしい日が続いても、いい夏かどうかは、また別問題。あたりまえだけど、晴れたり曇ったり雨が降ったり。天気も、気分も、コロコロ変わるから、だからいいのかもね。


 この八月は滅多にないくらいブログを更新した。そう、そうです。実はけっこう暇でした。暇だとブログ更新が捗る(笑 天気はアレでしたが子どもと一緒に、これでもかってくらい夏休み楽しんじゃったなぁ。でも今夜、久々の方からメール。やらねばと思いつつたいした営業はできてないし、ぼくの仕事だってできることは限られているけれど、こうして声をかけてもらえることが、なによりも嬉しいこと。準備をして、万全で臨み、フル回転で出し尽くす所存です。

 さ、まずは今日の撮影の現像を仕上げて、美味しいお酒、呑んで寝よっ。




23 August, 2017

東京夏夕

Black and white photo of Rainbow Bridge



 お盆の帰省でほったらかしにしてた畑の草むしりをしていたら、脇の道を小学生の男の子が自転車で二人、ザ・ブルーハーツのTRAIN TRAINを歌いながら通り過ぎていった。栄光に向かって走っている。どこまでも。


 じっとりと暑い日はまだもう少し続きそうだけど、高校野球が終わるといよいよ夏が終わる。次の季節へ向けて準備を始めないと。そんな気になる。そう、高校野球が終わると、夏休みももうすぐ終わる。いつまでも終わらない宿題を眺めながら、現実に引き戻された遠い夏の記憶をいつまでも引きずっているんだろうかね。大人の宿題は、いつまでたっても終わる気配がないけれど。

 もう少しだけ、区民プールにゆらゆらと浮かんでいたいんだ。








21 August, 2017

ひさしぶりの夏空

Long summer sky


 ひさしぶりの夏空。お盆で信州へと帰省していたけれど、ずっと曇天模様。東京に帰る日になってはじめて青空が広がった。北アルプスの山並は雲に隠れたままだったけれど、陽射しは川底を照らし川面はキラキラと輝いた。


River picnic in Azumino NAGANO


 わんだぁえっぐのロングリバークルーズは安曇野を流れる万水川(よろずいがわ)をくだり始め、わさび田湧水群と合わさりながら梅花藻や水草美しい蓼川(たてかわ)、欠の川(けのかわ)と三角島近辺で合流し犀川(さいかわ)へ流れ出る。そのあとすぐ先で、常念岳や蝶ヶ岳を源流とする烏川(からすがわ)の流れと一緒になった穂高川(ほたかがわ)、北アルプス槍ヶ岳を源流とする高瀬川(たかせがわ)が犀川へ流れ込み三川合流する。その先のあたりまでを2時間半かけて下ってく。激しい激流はないけれど、これだけ多くの川の流れを一度に下るラフティングは他にあまりないんではないだろうか。
 犀川はやはり槍ヶ岳を源流として上高地を流れ下り、松本平で木曽駒ケ岳源流の奈良井川(ならいがわ)と合流するまでを梓川(あずさがわ)と呼び、長野、埼玉、山梨県境の甲武信ヶ岳を源流として佐久平、上田盆地を西へ流れる千曲川(ちくまがわ)と長野市川中島で合流するまでを犀川と呼ぶらしい。その後、千曲川は新潟県へ入ると信濃川(しなのがわ)と名前を変え、群馬新潟県境の谷川岳から流れる魚野川(うおのがわ)と合流し日本海に流れ出る。いわゆる信濃川水系と呼ばれる日本で一番長い川の一部だ。
 
 それぞれの場所から流れ出て、違う川筋をたどり、いくつもの川と別れ、合流し、その土地・場所で呼ばれる名前も変わり、そして最後は大河となって海へ注ぐ。その源流の多くはここから見上げる遠い山の上にあったり、なんだか壮大すぎて想像もつかないけど、多くの川が絶え間無く流れ、交わり、水湧き出るこの水辺は、たゆまなく続くぼくらの暮らしそのもののようで、いつ来ても心地のいい場所だ。


Jade glitter


 写真は翡翠。ヒスイ。こちらは糸魚川市が有名な産地。糸魚川といっても実は糸魚川(いといがわ)という川はない。(なぜかは知りません...)翡翠は白馬から日本海へ流れる姫川(ひめかわ)周辺でよく採取されている。ただの石は光を当てても通さないけれど、翡翠は光を当てると透過する。大きな原石は難しいけれど、一見して違うだろうな、といった白っぽい小さい小石も光を当てると黄緑色に輝きだす。なるほど、探し始めるとこれが面白くてやめられない。来年の夏はヒスイが多く漂着しているという翡翠海岸へ、石拾いに行こうかな。



Edamame that became soybean and germinated edamame


 東京へ戻り、ひさしぶりに畑へ行ったら茶豆が大豆になりかけていた。房の中で発芽しているものも。作物を育てるのは本当にむつかしい。植える、育てる、採る、食べる、それぞれに最良の時期、タイミングあって、その旬を逃すと台無しになってしまう。作物にだけ言えることではなく、すべてのことに言えることかもしれない。その時、その時にふさわしい時というものは確実に在る。
 マルカメムシの卵もたくさんあったけれど、ほとんどは無事に収穫できた。夏の野菜を楽しめるのもあとわずかになって来たなぁ。しっかり、その瞬間に、一番美味しく食べておこうっと。




08 August, 2017

海の底、プールの底

Fireworks 2017 Summer ,Atami  Shizuoka Japan




 熱海へ海水浴に。娘の友人家族が花火のよく見えるマンションを所有しているということで誘ってもらいご一緒させていただいた。一昨年もお誘いいただき熱海の海で海水浴デビューした娘たち。時が経って学校がかわったり、いつも一緒に遊ぶ仲間がかわったりしてくると、そのうち誘ってもらえなくなるかなぁ、と。そもそも高校生くらいになったら子どもたちだけで親は誘ってもらえないか。そう思うと、今のうち。娘たちのおかげさまだ(笑

  海で泳ぐ、って思い出してみてもいつ以来だろう。田舎が信州だったぼくは海へ遊び行くことは少なくて、泳いでも川遊びばかり。中学校で泳いだっけ?もしかしたら小学校より前かもしれないな。一昨年の熱海で久しぶりに海で泳いで、寄せては返す波の強さや、暖かい流れと冷たい流れの混ざった不思議な感じ、海水のしょっぱさを新鮮な驚きとともに味わった。今年は娘たちもプールで特訓して少し泳げるようになって、それに付き合って来たぼくも、最近になって平泳ぎやクロールの泳ぎ方をあらためて学び直した。水泳ってがんばるとすぐに疲れて泳げなくなっちゃうのね。無駄な抵抗をやめていかに楽して、スムーズに泳ぐか。そうして長く泳げるようになってくると、水に浮かんで流れに乗っているあの浮遊感は病みつきになる。
 二年ぶりの海はやっぱりとてもしょっぱくて、でも少し沖に設置された浮島まで泳いで行くと、海底にはゆらゆらと魚が泳いでいて、キラキラと陽射しの差し込む海は見とれるほどキレイ。水深は5メートルくらいだろうか、海底を眺めながら泳ぐと、とても高度感があってまるで空を飛んでいるかのようだった。あぁ、ダイビングをしてる人たちってこの感覚にはまったのかなぁなんて思いながら、でもその高度感=深さにちょっとゾッとしたりして、息の吸えない世界、人が住めない異世界が無限に広がっている海に畏れとも憧れとも思えるような感情を抱く。それは先月登った山にも通じる思いで、世界中どこへでも行ける、どことでも繋がれる、人類未開の地、未踏の場所などもう今では一切ないように感じがちな現代だけど、実際には人がいかに限られた場所で暮らしているのか、人としての活動の限界をしみじみ考えたりもする。


 朝から海で泳いで、ひと休みして、午後は恐怖の少ない安全なプールでひと泳ぎ。帰宅した翌日、また同じメンバーで昨日泳いだ熱海の海を思い出しながら区民プールへ。もうまるで水泳部の合宿のようだよ、楽しいけど(笑 真っ青なプールの底を眺めて泳ぎながら、今年の夏は、よく動いて、よく遊んでるな〜。仕事、しないとなぁ〜。夏だなぁ。





Summer fruit, grapes
 
 こうして子どもと一緒にプール通いするのもきっと今の時期だけ。その時その時にタイミングや役割があって、そんな日々はあっという間に過ぎてしまう。季節が来ると美味しくいただける旬なフルーツのように。いま、美味しい時に楽しんでおかないとね。


 さて、日が暮れる前にまた泳ぎに行ってこようか。








03 August, 2017

黒戸尾根からの縦走

Lamp of mountain hut

 山へ行ってきた。初めての南アルプス、甲斐駒ケ岳。山梨県と長野県の県境に位置するこの山は長野県伊那市側からは東駒ケ岳とも呼ばれる。甲府駅、伊那市駅からどちら側からもおよそ2時間程度、バスで移動することで登山拠点となる北沢峠まで登ることができる。北沢峠からは甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳の両方へ4時間ほどで登頂できるため、多くの登山者は北沢峠から登るルートを選択するらしい。上の写真は北沢峠こもれび山荘の入り口にて。

 今回は北沢峠からではなく山梨県側、200年ほど前に山岳信仰の道として開山された黒戸尾根ルートを歩く。8時間ほどかけ標高差約2,200mを登り2,967mの山頂を目指す。

Mountain trails at Shichijyo,Kuroto Ridge

Mountain trails in the forest zone


 秋には落葉樹の落ち葉のラッセルとなるという黒戸尾根の登山道は、山岳信仰の道。仏像や祠が点在し、自然の造形の不思議さ、美しさだけでなく、多くの人の思いや歴史、山と人の結びつきを感じさせてくれる道だと思う。登り始めてしばらくして降り出した雨は樹林帯の木々が傘代わりとなってくれて、水はけの良い落ち葉の道はフカフカで膝に優しい。日本三大急登の一つといわれる黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳登山だが、長い時間をかけてゆっくりと確実に標高を上げていく印象。




Alpine climber Mr.Yasuhiro Hanatani 今回は登頂は翌朝とし七号目付近の小屋で一泊する。黒戸尾根には多くの山小屋があったが現在は七丈小屋のみ。そしてこの春から小屋番として七丈小屋を管理しているのがアルパインクライマーの花谷泰広さん。ぼくの大学の同期、特にこまくさ寮のみんな、覚えていますか?...そう、95年寮長の花谷くんです。あの当時から山に登るために信州大学へ来て、今や日本を代表する登山家だ。数年前に山の雑誌の記事で彼の姿を見つけ、驚き、憧れ、誇らしくなった。もちろんぼくはあの当時から、目的意識薄いモラトリアムな大学生で、バイクと音楽とお酒と女の子のこと、それと写真のことばかりしていたわけで、彼の活躍を誇らしく思うほど親しかったわけでもないのだけど。それでも、誌面で彼の変わらない笑顔を見つけてとても嬉しくなった。実のところ今回の登山は、彼がガイドを務め、七丈小屋に泊まるということで、甲斐駒ケ岳への登山というよりも彼に会いたいという一心で参加したのでした。




From the Kuroto ridge, look over Houou-sanzan in South Alps

 翌朝、七丈小屋から山頂を目指して出発。ここから先は稜線の景色が開け、ぐんぐんと高度感が上がっていく。眼前には鳳凰三山、地蔵岳のオベリスク。快晴の日はその奥に富士山の姿が重なるという。

 信仰の道は山頂まで続く。岩場、鎖場の脇にも石仏や石碑が並ぶ。ここまでどんな思いで背負い運び上げてきたのだろう。自然と手を合わせる。そして八合目の御来迎場あたりから山頂方向を見上げると巨岩に突き刺さる二本の剣が見えてくる。不動明王の剣だろうか、巨大な剣が突き刺さったその姿は見たことのない異様さもあり、しかし神々しく、黒戸尾根を強烈に印象付ける忘れられない景色だった。

Two swords at the summit



Mt.KaiKomagatake peak

 甲斐駒ケ岳山頂の祠。山頂は雲に巻かれ展望はきかなかったが、わずかに青空が抜けてくれた。開山されたのはおよそ200年前だが、山頂付近からは縄文時代の土器が発掘されたという。信仰と結びつくはるか昔から、人がここまで歩き登ってきていたことを思うと、人を惹きつける山という存在、そしてそれに惹きつけられる人の心情も、実は今も昔もかわりはないのだと思う。


 その後、北沢峠まで下山しこもれび山荘で一泊。翌朝、仙丈ケ岳を目指す。途中振り返ると、昨日歩いて超えてきた甲斐駒ケ岳と摩利支天、駒津峰、双児山の尾根道が見える。仙水峠を挟んだ向こう側にはサントリーのCMで宇多田ヒカルさんが登って注目された栗沢山。そう、ここ一帯は水がとにかく美味しい。七丈小屋もこもれび山荘も蛇口をひねれば南アルプスの天然水だ。


Mt.Kai Komagatake & Mt.Kurisawa


 黒戸尾根からの2泊3日の縦走。次は快晴の時に。2,200mを駆け上がる急登ゆえに変化に富んだ紅葉が楽しめるという秋、その頃にまた再訪したい。
 
 花谷くん、ご一緒したみなさん、七丈小屋のみなさん、こもれび山荘の方々、ありがとうございました!




詳しいコース&タイムなどはこちらに。















02 August, 2017

ある夏の夕暮れ

One summer evening


朝から夢中でシャッターを切った。

いい一日だった。










23 July, 2017

夏の収穫祭

A park full of cicada's voice


 夏がきた。公園は蝉の声。日差しはジリジリと暑いけど、水辺は風があると気持ちがいい。

 先日、東京を襲った集中豪雨。場所によってはヒョウやアラレまで降ってきて大変な被害があったようだ。ぼくは仕事で離れたところにいたのでその様子は見ていないのだけど、ぼくの住んでいる練馬区あたりもかなり激しかった様子。そう、この時期は畑が気になる。いろんな作物が実をつけている時期だしね。トウモロコシ、倒れていないといいけれど。
 翌朝さっそく様子をみに行ってトウモロコシの無事を確認。集中豪雨は大丈夫だったけれど、もしかして、もうすでに採りどき?ヒゲは茶色くなっていて、いくつかは鳥や虫に食べられた痕がある。慌てて畑仲間に連絡をとって収穫してしまおうということに。

Boiled corn


Corn and Edamame Pasta


 収穫した野菜を畑仲間が調理してくれての収穫祭。トウモロコシと枝豆は生クリームであえてパスタに。ナスとトマトはラム肉を加えたラタトゥイユ風。どちらも驚きのある、でもどこか懐かしい素朴な味で、とても美味しかった。なんといっても育てた野菜を料理してくれる人のいるありがたさ。ごちそうさまでした。

 食事をしながら話すのは、やっぱり畑のことが中心で、実のつき方、成長の早さ、収穫の時期etc...本当に難しい。そして土に植えた種が、空と土からの水と栄養、そして空気中の二酸化炭素をエネルギーに変えて育ち、実をつける不思議。以前、池澤夏樹さんが写真家星野道夫さんについて書かれた「旅をした人」に書かれていたことを思い出す。植物は時間を移動している。動物は時間と空間を移動する。その環境にあるものを植物は集約して、形を変えて再び戻す。動物は水と栄養を貯める歩く皮袋のようなもので、植物が吸い上げた栄養とエネルギーを食べて取り込み、移動してそれをまた別の場所へと運んで行く。食物連鎖や生物濃縮を繰り返す輪の中でぼくらは生きていることを実感する。
 信州小谷村へ鹿皮を鞣すワークショップへ行った時に感じたことだが、その土地で育ったものを食べその土地に生きるということは、その身も心も土地から生えてきた草木のように、その土地そのものなのかもしれない。見回してみると、いつどこで採れたかわからないものの方が身の回りに多くなってしまったなぁ、と感じつつも、身体に入れるもの、自分を構成する要素を意識するということは、つまりは自分自身を意識することに繋がるとても大切な感覚なんだと思うのです。


Ratatouille with lamb meat


 なんてことは微塵にも思わず、ただただ美味しいなぁ、うまいっすね〜、と舌鼓を打つことの素晴らしさよ。人間、美味しいものをお腹いっぱいいただくと、幸せ、感じます。感謝。
 





 そして、美味しい土地のものはなにも人間だけのものではないわけで、収穫のタイミングを誤ると、あっという間に鳥さん、虫さんの食事に。でもきっと、このコガネムシだって、幸せ、感じてるんではなかろうか。だって、このトウモロコシ、とっても美味しいもの。ね。

Scarlet beetle eating corn