昭和20年8月6日、広島に原爆が落ちた日。ぼくの祖父母は広島にいた。そのことを子どもの頃に母から聞いていたけど、詳しいことは聞かなかったし祖父母も話さなかったように思う。昨年、はじめて広島平和記念公園を訪れて、その時に祖父母がいた場所が己斐町だということを聞き、爆心地から3kmというあまりの近さに言葉を失った。
その3日後、長崎に原爆が落ちた日。妻の祖母は結婚して佐世保にいたが、長崎の実家にいる家族を失った。終戦後に家族を探しに長崎へ戻り、その様子に絶望したと祖母に聞いた。それまでに知っていた戦争、原爆、終戦。どこか本やテレビの中のことのように実感の伴わない知見だった70数年前の日々の「糸」が、するすると伸びてきて自分の家族に繋がり結びつく瞬間だった。この時代に生きる人は、いまここにいる人たちは、だれもがみんな例外なくその「糸」に繋がっている。
そしてぼくも、繋ぐ。
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