Facebookのタイムラインを見ていたら「5月1日は鈴蘭の日」と。スズランのいい香りが記憶の中からふわりと薫ってきました。
世の中はゴールデンウィーク真っ盛りですが、いかがお過ごしですか?小学校は暦通り、普段通りなので、なんだか平常運行の朝です。
4月末は久々にゆっくりできて積読になっていた本を。図書館から借りっぱなしで2回くらい延長しながらやっと読み終えた「猫の王 -猫はなぜ突然姿を消すのか-」小島 瓔禮 著。
最近は室内飼いが増えたので猫の最期を看取ることが普通になってきましたが、老齢な猫が突然いなくなることはよく知られていて、それは体力が落ち静かな場所で静養するためだったり転じて、死に場所を探しに行くといわれたり。この本では年を重ねた猫が山へ登り、化け猫となるといった日本各地に残る伝承を集め、身近にいながらも謎の多い猫の持つ神秘性、社会性を民俗学的なアプローチで見つめています。調べていくと似たような話は世界中にあったりして猫を追う壮大な旅に巻き込まれました。招き猫の由来や各地に残る逸話、そのバリエーションいついての考察など、トリビア的な話も多く、調べだすと収拾がつかないほど猫に関する話が多く残っていることに驚かされます。
前書きに著者が書いたとおり、自然と人間の境界線に存在する狐や狸といった動物と違い、身近に暮らす愛らしい存在として見ながらも同時に、理解できない不思議な生き物として、尻尾が割れ、耳が裂け、踊りを踊り、人語を話す魔物として猫を畏れる、そんな底知れない想像力を持つ人間こそが魔物かもしれない、ほんとにそう思います(苦笑
もう一冊は、広島取材でもご一緒した編集者K氏の推薦で「海からの贈り物」アン・モロウ・リンドバーグ著。史上初の大西洋単独横断飛行を成功させたリンドバーグの奥さまです。
書かれた時代が1950年代という時代を考えると、暮らしも世界情勢も男性、女性を取り巻く観念も、現代とは大きく違うはずなのに、語られることばの一言一句が素直にスーっと沁みこんできてシンクロします。それは彼女が生きてきた年月を思い返しながら、自分自身と他者との関係性、世界との繋がり方、ライフスタイルというものを丁寧に考察することを、独り言のように綴っているからだと。カヴァーには「女の幸せについて考える現代女性必読の書」など女性的な側面が強調されたりしていますが、これ、男女問わず誰にでも進められる普遍性の高い哲学書だと思います。
どちらの本も、ちょっと学術レポート的だったり、言い回しがいわゆる哲学的なアレで読み進めづらい面もありますが(海からの贈り物は薄っぺらいのに〜)、読んでいて気付きや発見のある読書体験でした。読書はやっぱり面白いです。
先月、子どもとタイムマシーンの話になって、言葉で説明しても難解すぎて、さてどうしたもんかと考えた末、「そうだ!今こそあの映画!」と「Back to the Future」を三部作、借りてきた。子どもたちもマーティーとドクの時間旅行にすぐに夢中になって、ぼくらも1985年に公開された、驚きとユーモアに溢れたSFを懐かしく堪能した。今見ても、色褪せた感じがしないまさに名作。
友人のカメラマンY氏の言葉「写真って、移動と共にある表現だからさ」
池澤夏樹さんが星野道夫さんについて書いた「旅をした人」にあった言葉「移動することが生きることである」その後に「すべての動物にとって、ひょっとしたらすべての植物にとっても、移動が生きる原理なのだ。植物の大半は時間の中の移動しか知らないが、動物は時間と空間の両方を移動しながら生きている」と続く。
あぁ、そうか、そうだった。一方通行の道の上を絶えず移動し続けているんだった。
自分の身体は一つしかないし、デロリアンやドラえもんがいない今、時間を遡って旅することはどうも叶いそうにないけれど、本や映画は、まだ見ぬ土地のことを、誰かの言葉や誰かの人生を体験させてくれる。それは時間の移動、空間の移動とはまた違った移動。フィクションもノンフィクションも関係なく、頭の中に流れ込んできたそれらは、自分の中のイメージと混ざり合いながら記憶の中に積もっていく。
なにかを作る、表現するってことは、自分ではない誰かに、そんな体験というバトンを渡すことなのかもしれない。で、時間の旅を終えた後は、またそのバトンを受け取った誰かが同じように繋いでいく。バトンを受け取るのは自分の子どもかもしれないし、友人かもしれないし、遠い世界の知らない誰かかもしれないけれど。
写真の師匠が「暇な時には映画を観てください」って良く言ってた。当時は遊びに行くことに夢中で実は気にもとめていなかったけど、そうでした。その通りです。すみませんでした(汗
今週はGYAOでマザーテレサも無料視聴できるし、気になっていたPKもレンタルが始まったみたいなので、時間のある今のうちに頭の中の移動、堪能しておこう。
ということで、巣山はGW明けも暇をしていますので、お仕事のご依頼もお待ちしております。
世の中はゴールデンウィーク真っ盛りですが、いかがお過ごしですか?小学校は暦通り、普段通りなので、なんだか平常運行の朝です。
4月末は久々にゆっくりできて積読になっていた本を。図書館から借りっぱなしで2回くらい延長しながらやっと読み終えた「猫の王 -猫はなぜ突然姿を消すのか-」小島 瓔禮 著。
最近は室内飼いが増えたので猫の最期を看取ることが普通になってきましたが、老齢な猫が突然いなくなることはよく知られていて、それは体力が落ち静かな場所で静養するためだったり転じて、死に場所を探しに行くといわれたり。この本では年を重ねた猫が山へ登り、化け猫となるといった日本各地に残る伝承を集め、身近にいながらも謎の多い猫の持つ神秘性、社会性を民俗学的なアプローチで見つめています。調べていくと似たような話は世界中にあったりして猫を追う壮大な旅に巻き込まれました。招き猫の由来や各地に残る逸話、そのバリエーションいついての考察など、トリビア的な話も多く、調べだすと収拾がつかないほど猫に関する話が多く残っていることに驚かされます。
前書きに著者が書いたとおり、自然と人間の境界線に存在する狐や狸といった動物と違い、身近に暮らす愛らしい存在として見ながらも同時に、理解できない不思議な生き物として、尻尾が割れ、耳が裂け、踊りを踊り、人語を話す魔物として猫を畏れる、そんな底知れない想像力を持つ人間こそが魔物かもしれない、ほんとにそう思います(苦笑
もう一冊は、広島取材でもご一緒した編集者K氏の推薦で「海からの贈り物」アン・モロウ・リンドバーグ著。史上初の大西洋単独横断飛行を成功させたリンドバーグの奥さまです。
書かれた時代が1950年代という時代を考えると、暮らしも世界情勢も男性、女性を取り巻く観念も、現代とは大きく違うはずなのに、語られることばの一言一句が素直にスーっと沁みこんできてシンクロします。それは彼女が生きてきた年月を思い返しながら、自分自身と他者との関係性、世界との繋がり方、ライフスタイルというものを丁寧に考察することを、独り言のように綴っているからだと。カヴァーには「女の幸せについて考える現代女性必読の書」など女性的な側面が強調されたりしていますが、これ、男女問わず誰にでも進められる普遍性の高い哲学書だと思います。
どちらの本も、ちょっと学術レポート的だったり、言い回しがいわゆる哲学的なアレで読み進めづらい面もありますが(海からの贈り物は薄っぺらいのに〜)、読んでいて気付きや発見のある読書体験でした。読書はやっぱり面白いです。
先月、子どもとタイムマシーンの話になって、言葉で説明しても難解すぎて、さてどうしたもんかと考えた末、「そうだ!今こそあの映画!」と「Back to the Future」を三部作、借りてきた。子どもたちもマーティーとドクの時間旅行にすぐに夢中になって、ぼくらも1985年に公開された、驚きとユーモアに溢れたSFを懐かしく堪能した。今見ても、色褪せた感じがしないまさに名作。
友人のカメラマンY氏の言葉「写真って、移動と共にある表現だからさ」
池澤夏樹さんが星野道夫さんについて書いた「旅をした人」にあった言葉「移動することが生きることである」その後に「すべての動物にとって、ひょっとしたらすべての植物にとっても、移動が生きる原理なのだ。植物の大半は時間の中の移動しか知らないが、動物は時間と空間の両方を移動しながら生きている」と続く。
あぁ、そうか、そうだった。一方通行の道の上を絶えず移動し続けているんだった。
自分の身体は一つしかないし、デロリアンやドラえもんがいない今、時間を遡って旅することはどうも叶いそうにないけれど、本や映画は、まだ見ぬ土地のことを、誰かの言葉や誰かの人生を体験させてくれる。それは時間の移動、空間の移動とはまた違った移動。フィクションもノンフィクションも関係なく、頭の中に流れ込んできたそれらは、自分の中のイメージと混ざり合いながら記憶の中に積もっていく。
なにかを作る、表現するってことは、自分ではない誰かに、そんな体験というバトンを渡すことなのかもしれない。で、時間の旅を終えた後は、またそのバトンを受け取った誰かが同じように繋いでいく。バトンを受け取るのは自分の子どもかもしれないし、友人かもしれないし、遠い世界の知らない誰かかもしれないけれど。
写真の師匠が「暇な時には映画を観てください」って良く言ってた。当時は遊びに行くことに夢中で実は気にもとめていなかったけど、そうでした。その通りです。すみませんでした(汗
今週はGYAOでマザーテレサも無料視聴できるし、気になっていたPKもレンタルが始まったみたいなので、時間のある今のうちに頭の中の移動、堪能しておこう。
ということで、巣山はGW明けも暇をしていますので、お仕事のご依頼もお待ちしております。
...イカンイカン、営業に行かないと。
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